本と映画と、少し寄り道

小説と映画の感想文をゆるゆると。

2025-01-01から1年間の記事一覧

【読書感想】湊かなえ『暁星』|これは愛の物語だ

湊かなえ『暁星』のレビュー。宗教二世を取り巻く苦悩や葛藤を描く作品でありながら、とてつもない愛の物語。誰かを愛し、信じる自分の心を、もっと信用してみたくなる。

『悪女について』感想|有吉佐和子が描いた「悪女」は本当に悪女なのか?

有吉佐和子『悪女について』の感想と考察。27人の証言で描かれる富小路公子は、本当に“悪女”なのか?他人の視点を通して見える、人の多面性と「信じること」の意味を読み解く。

『植物少女』朝比奈秋――静寂の中にある「生きる」ということ

朝比奈秋『植物少女』は、植物状態の母と娘の静かな時間を描く物語。淡々とした筆致の中で浮かび上がる“生きる”という行為の本質に、思わず自分の記憶が重なる。祖母との日々を思い出しながら、生と死の間にある「命の手ざわり」を見つめた。

渡辺優『アイドル 地下にうごめく星』レビュー|夢は呪いか、それとも希望か

渡辺優『アイドル 地下にうごめく星』の感想。宝塚を夢見た楓やアイドルに魅せられた夏美たちの姿を通して、「夢と現実」を描く物語のリアルに迫る。

【読書感想】綿矢りさ『オーラの発表会』ー少し変わった女の子・海松子から学ぶ人との距離感

綿矢りさ『オーラの発表会』レビュー。変わり者の主人公・海松子を通して、「マイペース」と人との距離感、他人と関わることで広がる世界について考える。

【読書感想】朝井リョウ『武道館』と現実のアイドルー儚さに価値を見出してしまう美しい残酷さ

朝井リョウ『武道館』が描く女性アイドルの葛藤は、10年経った今も変わらない。理性では問題だと思いながらも、その儚さに魅力を感じてしまう複雑な心境。

朝井リョウ『イン・ザ・メガチャーチ』書評|視野の広さと狭さ、信じる力について考える

朝井リョウ『イン・ザ・メガチャーチ』書評。孤独を抱える人々が“信じるもの”にすがる姿を通じて、視野の広さと狭さ、信じることの救いと危うさについて考えた。

太宰治『女生徒』感想|少女の自由な思考が見せてくれる“日常の物語”

太宰治『女生徒』感想。86年前に描かれた少女の一日から見えてくる「自由な思考」と「日常の物語」。歴史と今をつなぐ太宰文学の魅力を考察します。

【読書感想】綿矢りさ『嫌いなら呼ぶなよ』|“明るすぎる闇”をまとう私たち

整形もファッションもSNSも――私たちは“鎧”をまとって生きている。綿矢りさ『嫌いなら呼ぶなよ』が描く「明るすぎる闇」を持つ人たち。

推し活のリアルを描くおすすめ5冊|キラキラだけじゃない「推す」ことの物語

推し活は楽しいだけじゃない。虚しさや痛みも抱えながら、それでも好きでい続ける――そんな“アイドル”と“ファン”のリアルを描いた小説を5冊紹介。推し活ブームに少し居心地の悪さを感じている人にもおすすめです。

【実写化】早見和真『ザ・ロイヤルファミリー』感想 競馬を知らなくても夢中になれる“大人の青春”

競馬の話だと思い込み、手に取るのをためらっていた『ザ・ロイヤルファミリー』。しかし読み進めるほどに“大人の青春”の熱に圧倒された。競馬を知らなくても心震える感動と継承の物語。2025年10月期日曜劇場で実写化。

夏目漱石『こころ』感想とあらすじ|先生の遺書に描かれた恋と後悔

夏目漱石『こころ』感想。前半のゆるやかな展開と、後半の『先生の遺書』で明かされる恋と後悔。100年以上前の物語に今も共感できる、人間の心の本質とは。

佐原ひかり『人間みたいに生きている』感想|食の価値観が揺さぶる物語

佐原ひかり『人間みたいに生きている』感想。食べることが苦痛な唯の姿から、“わかる”という共感の傲慢さ、人との違いを考えさせられる物語。

村山由佳『PRIZE』感想|承認欲求は本当に悪いこと?

村山由佳『PRIZE』は化け物級の小説!直木賞への執念を描く作家・天羽カインの物語に圧倒された読書体験をレビュー。承認欲求は悪いことなのか?人との距離感とは?現代社会への鋭い問題提起も含む傑作小説の魅力。

【実写化】『ブラック・ショーマン』原作感想|福山雅治キャストで見えた新しい読書体験

実写化作品の原作を読むのが苦手だった私が『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』で体験した"福山雅治効果"とは?東野圭吾の最新作を福山雅治・有村架純主演映画化決定後に読んだ率直な感想。

夏の終わりに読みたい!おすすめ小説3選 【さわやかからぞわっとまで厳選】

夏の終わりに読みたいおすすめ小説3選!さわやかな癒し系から青春小説、ぞわっとするミステリーまで幅広く厳選。佐藤多佳子、辻村深月、道尾秀介の隠れた名作で特別な読書時間を。みなさんの推し本も募集中!

カズオ・イシグロ『クララとお日さま』感想|AI時代だからこそ響く人間の唯一無二性

ノーベル文学賞作家カズオ・イシグロの『クララとお日さま』を現代のAI技術の視点から考察。人工知能と人間の愛情、ChatGPT時代だからこそ響く名作の魅力を深く読み解きます。

早見和真『八月の母』書評|家族の『鎖』と『呪い』から自分の人生を取り戻すということ

早見和真『八月の母』の書評。家族の愛情が「鎖」や「呪い」になる現実を、実体験を交えて考察。門限の記憶から考える家族関係の複雑さと、自分の人生を生きることの意味について。

「私の心の友を返して」ChatGPT GPT-5 #keep4o 運動から考えるAI依存と共存の未来

GPT-5のリリース後、「以前のChatGPTを返して」という声がSNSで話題に。AI依存の危険性と可能性を実体験で考察。AIと人間の新しい共存関係を模索する。

三島由紀夫『金閣寺』は難しすぎた|それでも読み切れた理由と現代に通じる美意識

三島由紀夫の『金閣寺』の感想を正直に告白。難解な文学作品を通して感じた「失われる美」への執着を、現代のアイドル体験と比較しながら解説。「わからない」も立派な感想という読書論も展開する。

ZIP!東大生特集で思い出した『魔女の宅急便』|小学生時代に影響を受けた特別な一冊

ZIP!の東大生読書特集をきっかけに振り返る、小学時代の運命的な読書体験。角野栄子『魔女の宅急便』が内向的だった私に与えた「チャレンジする勇気」。幼少期の読書が人生に与える影響を、個人的な体験とともに綴ります。

久しぶりの図書館で感じた静寂の価値|大人になって気づく『本と向き合う時間』の意味

近代文学を学ぶため久しぶりに図書館を訪れた読書好きライターの体験記。神奈川県立図書館で感じた静寂の価値と、インターネット時代だからこそ実感する「本と向き合う時間」の意味。学生時代の図書室の思い出とともに綴る、大人の図書館活用術。

川上未映子『ヘヴン』感想ー「世界」の複数性が問いかける「善とは何か悪とは何か」

紫式部文学賞受賞・ブッカー国際賞ノミネート作品『ヘヴン』川上未映子の書評。いじめを受ける「僕」とコジマの物語から見える「世界」の哲学。苦しみは耐えるべきか、逃げるべきか。読後に身震いする深い問いかけ。

『書店に寄ったら1冊本を買う』キャンペーン、始めましたー『100分間で楽しむ名作小説』との偶然の出会い

芥川賞・直木賞「該当作なし」をきっかけに始めた「書店に寄ったら1冊本を買う」勝手なキャンペーン。ふらっと立ち寄った書店で出会ったのは、角川の「100分間で楽しむ名作小説」シリーズの山本文緒『みんないってしまう』。帰り道の電車で過ごした100分間の…

太宰治『斜陽』あらすじと感想―没落貴族かず子が教える『変わりたい』という願い

太宰治『斜陽』を読んだ率直な感想。敗戦後の没落貴族を描いた本作は、時代の変化についていけない者と必死に変わろうとする者の物語。かず子の「不良になりたい」という言葉に込められた切実な願いと、現代にも通じる直治の苦悩を通して見える太宰文学の魅…

芥川賞・直木賞『該当作なし』から見えた本を愛する人たちの想い「本屋さんへ行こう」

芥川賞・直木賞「該当作なし」のニュースに、本を愛する人たちの様々な想いが交錯した。27年半ぶりの結果に対する読者、作家、書店の声を通じて見えてきたもの。作家・村山由佳さんの「今こそ本屋さんへ行こう」という言葉とともに、本との出会いの大切さを…

街の本屋が消える時代―子どもの頃の読書体験が人生に与えた影響

東京・杉並区「サンブックス浜田山」の閉店ニュースをきっかけに、子どもの頃の読書体験を振り返ります。街の本屋で出会った本が「感情のバイブル」となり、想像力を育んだ体験談。『かわいそうなぞう』との衝撃的な出会いから、読書が人生に与える影響につ…

金原ひとみ『アンソーシャル ディスタンス』感想|限界一歩手前で生きる女性たちの物語

金原ひとみ『アンソーシャル ディスタンス』を読んだ感想。ストロングゼロ、整形、不倫に頼る女性たちを描いた5編の短編集。人との距離感に悩んだ震災時の体験と重ね合わせながら、限界一歩手前で生きる女性の心理を分析。

『あのとき言えばよかった』は、もう繰り返したくない|初めて作家のイベントに行った話

佐原ひかり先生のトークイベントに行った。私にとって初めての作家さんのイベントだ。「好き」を伝えることや、自分の「好き」にまっすぐいることの大切さを改めて感じた日の体験談。

太宰治『人間失格』を初めて読んだ感想|77年前の絶望が現代のSNS時代に響く理由

太宰治『人間失格』を初めて読んだ感想。1948年の作品なのに現代のSNS時代に通じる葉蔵の「道化」や堀木の匿名性など、77年前の絶望が今も響く理由を分析。日本文学科卒が今更読んで驚いた古典文学の現代性とは。