本と映画と、少し寄り道

小説と映画の感想文をゆるゆると。

2025-07-01から1ヶ月間の記事一覧

川上未映子『ヘヴン』感想ー「世界」の複数性が問いかける「善とは何か悪とは何か」

紫式部文学賞受賞・ブッカー国際賞ノミネート作品『ヘヴン』川上未映子の書評。いじめを受ける「僕」とコジマの物語から見える「世界」の哲学。苦しみは耐えるべきか、逃げるべきか。読後に身震いする深い問いかけ。

『書店に寄ったら1冊本を買う』キャンペーン、始めましたー『100分間で楽しむ名作小説』との偶然の出会い

芥川賞・直木賞「該当作なし」をきっかけに始めた「書店に寄ったら1冊本を買う」勝手なキャンペーン。ふらっと立ち寄った書店で出会ったのは、角川の「100分間で楽しむ名作小説」シリーズの山本文緒『みんないってしまう』。帰り道の電車で過ごした100分間の…

太宰治『斜陽』あらすじと感想―没落貴族かず子が教える『変わりたい』という願い

太宰治『斜陽』を読んだ率直な感想。敗戦後の没落貴族を描いた本作は、時代の変化についていけない者と必死に変わろうとする者の物語。かず子の「不良になりたい」という言葉に込められた切実な願いと、現代にも通じる直治の苦悩を通して見える太宰文学の魅…

芥川賞・直木賞『該当作なし』から見えた本を愛する人たちの想い「本屋さんへ行こう」

芥川賞・直木賞「該当作なし」のニュースに、本を愛する人たちの様々な想いが交錯した。27年半ぶりの結果に対する読者、作家、書店の声を通じて見えてきたもの。作家・村山由佳さんの「今こそ本屋さんへ行こう」という言葉とともに、本との出会いの大切さを…

街の本屋が消える時代―子どもの頃の読書体験が人生に与えた影響

東京・杉並区「サンブックス浜田山」の閉店ニュースをきっかけに、子どもの頃の読書体験を振り返ります。街の本屋で出会った本が「感情のバイブル」となり、想像力を育んだ体験談。『かわいそうなぞう』との衝撃的な出会いから、読書が人生に与える影響につ…

金原ひとみ『アンソーシャル ディスタンス』感想|限界一歩手前で生きる女性たちの物語

金原ひとみ『アンソーシャル ディスタンス』を読んだ感想。ストロングゼロ、整形、不倫に頼る女性たちを描いた5編の短編集。人との距離感に悩んだ震災時の体験と重ね合わせながら、限界一歩手前で生きる女性の心理を分析。

『あのとき言えばよかった』は、もう繰り返したくない|初めて作家のイベントに行った話

佐原ひかり先生のトークイベントに行った。私にとって初めての作家さんのイベントだ。「好き」を伝えることや、自分の「好き」にまっすぐいることの大切さを改めて感じた日の体験談。

太宰治『人間失格』を初めて読んだ感想|77年前の絶望が現代のSNS時代に響く理由

太宰治『人間失格』を初めて読んだ感想。1948年の作品なのに現代のSNS時代に通じる葉蔵の「道化」や堀木の匿名性など、77年前の絶望が今も響く理由を分析。日本文学科卒が今更読んで驚いた古典文学の現代性とは。

“その街に合った書店”が消えていく 信じたい未来への希望

誕生日に訪れた自由が丘で、思い出の本屋「不二屋書店」の閉店を知った。街の本屋がなくなる現実と向き合い、本との新しい関係を考えるエッセイ。

『この夏の星を見る』は大人にこそ響く|辻村深月が描く「好き」を信じる力【映画化】

辻村深月『この夏の星を見る』を読んだ感想。コロナ禍が舞台だが本質は「好き」への情熱を描いた青春小説。オンラインで繋がる中高生の純粋な友情に心が震える。7月4日映画化記念レビュー。大人にこそ読んでほしい理由とは。