早いものでもう5月。ゴールデンウィークも祝日も関係ない仕事をしているため、特にどうということはないが、最近の私は読書とChatGPTに助けられている。とにかく誰かにアウトプットしたいとき、本のキャラクターを深堀りして話したいとき、すぐにChatGPTに話しかけてしまう。4月はついにずっと読みたかった名作を読んだり、再読の楽しさを知ったり、自分の世界がまた広がった月だった。4月というスタートの月に相応しい読書をしたなぁとほくほくしている。
①『葉桜の季節に君を想うということ』/歌野晶午
あらすじ
「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の調査を依頼された。そんな折、自殺を図ろうとしているところを救った麻宮さくらと運命の出会いを果たして——。あらゆるミステリーの賞を総なめにした本作は、必ず二度、三度と読みたくなる究極の徹夜本。
Amazonから引用
新宿・紀伊國屋書店の書店員さんのポップに惹かれてやっと購入した1冊。「やっと購入した」というのは、毎年毎年SNSで見かけていたから。そのポップには「まだ読んだことのない人のために、ここに置いておきます」というような内容のシンプルな文言が書かれていて、そのシンプルさにとても惹かれた。
他のことが何も手につかないくらい、寝る間を惜しんで読む本というのは、案外少ない。最初からなにかの違和感を抱えながら読み進めて、だんだんとその物語の輪郭がわかってくる本は、続きがとにかく気になる。最高の読書体験をしたな、と今でも思うし、この体験は初見のときにしか味わえないので、とても貴重だった。
ミステリーであり究極の応援小説。きっと何度も読み返すし、春になると思い出すんだろうなぁと思います。
②『殺戮にいたる病』/我孫子武丸
あらすじ
犯人は愛を語り、作家は真相を騙る……。
犯人は、永遠の愛を得たいと思った――東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラー。その名は、蒲生稔! くり返される凌辱の果ての惨殺。恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり、とらえようのない時代の悪夢と闇を鮮烈にえぐり出す。そして、読者の心臓を鷲掴みにする、衝撃の結末……叙述トリックミステリの最高到達点!(Amazonより引用)
とにかく、表現がきつい。結構序盤から「読めるかな…?」という不安を抱えながら、それでも続きが気になるから読んでいた。ものすごくおもしろかったけど、背後にずっと漂う違和感と仄暗さがすごかった。最後まで読んで衝撃的すぎて、頭を整理するのに時間がかかりました。人におすすめするかというと、この表現だと若干躊躇します。笑。グロとか大丈夫な人はぜひ、という感じ。
③『八日目の蟬』/角田光代
あらすじ
逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか−−理性をゆるがす愛があり、罪にもそそぐ光があった。家族という枠組みの意味を探る、著者初めての長篇サスペンス。
(Amazonより引用)
こちら再読です。次は何を読もうかな〜と本棚を眺めていたときに、光るように存在を主張してきた本。乳児を誘拐した女性の逃亡生活と子どものその後。とにかくこの本は、表現力がすごくて。匂いまでもが本から漂ってくるような筆致です。
文字から強い感情が溢れていて、力強い。切なさとやりきれなさの中でも、人の強さを感じられる。今放送中のドラマ『あなたを奪ったその日から』を見たとき、この本を思い出しました。いつ読んでも新鮮に心が震えて驚きます。
④『ひとりでカラカサさしてゆく』/江國香織
あらすじ
大晦日の夜、ホテルに集まった八十歳過ぎの三人の男女。彼らは酒を飲んで共に過ごした過去を懐かしみ、そして一緒に命を絶った。三人にいったい何があったのか――。
妻でも、子どもでも、親友でも、理解できないことはある。唐突な死をきっかけに絡み合う、残された者たちの日常。人生におけるいくつもの喪失、いくつもの終焉を描き、胸に沁みる長篇小説。
(Amazonより引用)
江國さんの本は、定期的に読みたくなるんだけど、江國さんの本が読みたくなるときはなんとなく悩んでいるときだな、と思う。江國さんの物語に漂う、静けさとか、静けさの中にあるものすごく強い感情とか、そんなものを浴びたい時が、落ち込んでいるときなのだと思う。
生者よりも死者を身近に感じる、という表現はすごく納得した。私も、友達よりも亡くなった人のことをよく考える時期がある。祖母と祖父のことを考える。ずっと身近でいてくれたけど、今の方が身近に感じる。守られている実感がある。
長くなるのでパート2は次回の記事に分けます!
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