4月に読んだ本後半戦です!5月はなかなか本が読めなさそうなので、こういうまとめ編の更新が多くなりそう。小説も投稿できるようにがんばりたい所存。
①『彼女がそれも愛と呼ぶなら』/一木けい
あらすじ
高校生の千夏には秘密がある。それは、家に父親はいないのに、母親の伊麻とその3人の恋人たちと暮らしていること。美容オタクでバイセクシャルの亜夫、イタリアンのシェフでいつも落ち着いている到、そして、最近新しく家にやって来た博識な大学院生・氷雨。千夏は三人のことが大好きだけど、複雑な家庭事情を友人にも明かせずにいた。そんな秘密を持つから教室でも目立たないようにしていたのに、ある日クラスで一番の人気者から告白されて――。同じ頃、伊麻は高校時代の友人絹香と再会していた。子供を産んでも恋愛を楽しむ伊麻の姿を見て、絹香はある決心を固める。
幻冬舎HPより引用
『誰かの目盛りはあなたの悲しみで、あなたの目盛りは誰かの悲しみ』。この言葉がとても印象に残っています。人は、その立場によって見え方が違うし、感じることも違う。それを実感することがある度に、気持ちに鈍感な人にはなりたくないなと思います。
いろんなことを考え続けたり、インプットをし続けたりすることは疲れるけど、人の気持ちや傷に敏感な人でありたい。自分の価値観で人のことを決めつけてしまった経験なんて、いくらでもあります。きっとみんなあると思います。でも、すべてを認められなくても誠実な言葉と態度で人と関わっていきたい。すごく現代的なのに現実感はあまりなくて、でもその設定が逆にとてもおもしろかったです。
②『護られなかった者たちへ』/中山七里
あらすじ
仙台市の保健福祉事務所課長・三雲忠勝が、手足や口の自由を奪われた状態の餓死死体で発見された。三雲は公私ともに人格者として知られ、怨恨が理由とは考えにくい。
一方、物盗りによる犯行の可能性も低く、捜査は暗礁に乗り上げる。三雲の死体発見からさかのぼること数日、一人の模範囚が出所していた。
男は過去に起きたある出来事の関係者を追っている。男の目的は何か。なぜ、三雲はこんな無残な殺され方をしたのか? 誰が被害者で、誰が加害者なのか。
本当に“護られるべき者"とは誰なのか。
怒り、哀しみ、憤り、葛藤、正義……
万般の思いが交錯した先に導き出される切なすぎる真実――。
(Amazonより引用)
文章だけでここまでの絶望と諦念、希望を形にできるのが本当にすごいと思いました。勝手に考えていた物語と違って、思っていた以上にしんどかった。創作の中にも本物が混ざっていて、制度や政治など、考えるきっかけになった本。中盤からはとにかく読むのが辛かった。トラウマ本に制定しました…。トラウマ本とは、思い出すだけで心臓がひゅっとなる本です。
③『おいしいごはんが食べられますように』/高瀬隼子
あらすじ
第167回芥川賞受賞
「二谷さん、わたしと一緒に、芦川さんにいじわるしませんか」
心をざわつかせる、仕事+食べもの+恋愛小説。
職場でそこそこうまくやっている二谷と、皆が守りたくなる存在で料理上手な芦川と、仕事ができてがんばり屋の押尾。
ままならない微妙な人間関係を「食べること」を通して描く傑作。
(Amazonより引用)
短い中にいくつもナイフが詰まっている作品でした。表紙とタイトルだけで「ほっこり系だろうな〜」と手に取ったら後悔するタイプの本です。笑。いろいろと頷きながら読むフレーズがありすぎた。「おいしいごはん」は人によって違うし、私も「食」に対してちょっと厄介なものを持っているので、ずしんときました。この物語、誰の立場が理解できるかによっても受け取り方が変わってくるような気がする。読めてよかったです。
5月は何冊読めるかなーーーー!?今のところまだ2冊なので、5冊読めればいいほうかもしれません。別に量を読んだからいいってわけではないんだけど、読みたい本がありまくるからたくさん読みたいです。そういえば『君の顔では泣けない』実写化するんですね。楽しみ!
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