昔から読書が大好きだったのに、私は読書感想文が苦手だった。どちらかというと好きに書ける作文の方が得意だった。しかし、大人になって本の感想をインターネットにアップしたり、ブックレビューを書かせてもらったりすることが増え、「こうやって書けばよかったのか」という発見があった。この記事は読書感想文を書くことが苦手な人へ!私が大人になってから気づいた「読書感想文の書き方」のヒントを紹介していきたい。
■あらすじは感想ではない
過去の私もそうだったけど、「読書感想文」と言われると、どうしてもその本の内容を説明しなくては!と思ってしまう。あらすじを書いていると、いつの間にか400字がすぐに埋まる。しかしそれは本の内容であって、あなたの感想ではない。あらすじはあくまでさくっと。そして最後まで書かないこと。例えば太宰治の『女生徒』であれば、こう書く。
本作は1939年、太宰治によって書かれた作品。ひとりの少女のたった一日の心の動きを丁寧に描いた小説で、思考の自由さと感情の豊かさ、思春期の揺れが描かれている。
これはかなりさくっとまとめたものだけれど、あらすじは「主人公」と「おおまかな内容」が書かれていればいい。例えばミステリー小説であれば「本作は、妹を不可解な事件で失った警察官Aが、真相を追う物語だ。密室状態の別荘で何が起きたのか、Aは妹の死の理由を突き止めようとする」みたいな感じで、掴みだけ入れておけばいい。
つまり、あらすじはその読書感想文の導入部分。あくまでもさらっとでOK!
■心に残っている一文を見つける
読書感想文を書くために本を読むとき、なんとなく読み始めるのではなくて「感想を書くこと」をイメージして読む。そして、心に残ったことやわからなかったところに印をつけておく。ふせんを貼ったり、写真を撮ったり、メモしたり、自分がわかりやすいやり方でOK。
重要なのは「自分の心が動いた箇所」ということ。喜びでも怒りでも共感でも悲しみでもなんでも大丈夫。「わからない」という感想でもいいので、とにかく引っかかる文にはチェックをつけておこう。

■本と自分の生活を結びつける
過去の私は圧倒的にこれができていなかった。でもなぜ大人になったら自然にできたのだろう?と考えると、それは経験の差だと思う。大人になればなるほどいろいろな経験をして、私たちの頭の中には引き出しがたくさんできる。その引き出しは多ければ多いほど、本の世界と自分の感情が接続する。
小中学生が読書感想文を書く場合、その経験がまだ浅い。でもそれは特別な経験でなくていい。例えば、『女生徒』では「母親のことは嫌いじゃないけど、なんとなくムカつく」みたいな内容がある。その感情は、誰もが一度は持ったことがあるのではないか。ここにフィーチャーして自分の生活に結びつけるとすると、
私は本作の「このごろの、私のいらいらは、ずいぶんお母さんと関係がある。お母さんの気持に、ぴったり添ったいい娘でありたいし、それだからとて、へんに御機嫌とるのもいやなのだ」という一文に深く共感した。
母親のことは嫌いではないし、感謝している。だけど、ちょっとした一言でムカついてしまう。それは私たちが家族だからで、近くにいすぎているからだ。お母さんの喜ぶ顔が見たいから、テスト勉強をがんばった。90点を取って、わくわくしながら「じゃーん!」と見せたのに、お母さんの反応は「すごいね」の一言だった。あれ?なんで?もっと褒めてよ、と思って伝えると、「褒められたいからがんばったの?」と言われた。
ぽかん、としていると、お母さんは「今度は自分のためにがんばりな」と私を見つめた。私はとても恥ずかしくなって、そこから私は誰かの機嫌を取る、という行動をやめた。自分の機嫌は自分で取る。誰かの機嫌なんて取ってやらない。こうして私のちょっと曲がった人格が出来上がったのだ。
みたいな感じ。何かの一文から、自分の生活を結びつけて、そこからは自分の経験や感じたことを書けばいい。大切なのは、「この一文を読んで、自分のどんな出来事を思い出すのか」を考えること。そうすると、物語と自分が接続したことになって、自分しか書けない感想になる。そう、読書感想文は「本を読んで感じたあなたの感想」を書けばいい。誰にも真似できない、あなただけの文章がきっと見つかる。
■感想はあくまでも感想。良い感想ばかりじゃなくていい!
「読書感想文」と言われると、何かいいことを書かなきゃ、と思ってしまう。でも、必ずしも良いことを書けばいいというわけではない。共感できなかったのなら「共感できなかった」でいいし、難しかったのなら「私には難しかった」でいいのだ。
ただ、「私には難しかったです」だけだと味気なさすぎるので、なぜ難しかったのかを考えてみる。文体が難しかったのか?自分に合わない文章だったのか?誰にも共感できなかったからイライラしたのか?そんなふうに。
それが見つかったら、「もしかしたら何年か経ったら理解できるのかもしれない。経験が増えれば、わかるのかもしれない。私は未来でこの物語にまた出会えることを楽しみにしている」みたいな感じで締めるのでもいい。
登場人物に共感できなかった場合はもっとシンプルで、「私が登場人物の立場だったらどうするか?」を考えてみればいい。それもまた「物語と自分を接続」することになる。
そして最後に「この本を読んで、自分はこれからどうしたいと思ったか」「考え方が少し変わったところ、もしくは改めて大事にしていきたい考え方」など、少し未来に目を向けた締めにすることも大切。学校の読書感想文では特に大切だと思う。
■まとめ
まとめると、読書感想文を書くときは5つのことを意識するといい。
1.あらすじは短くまとめる
2.心に残った場面や一文を選ぶ
3.なぜそこが気になったのかを考える
4.自分の生活や経験と結びつける
5.良い感想を書こうとしすぎない
この順番で考えると、あらすじだけで終わらない、あなただけの感想文の出来上がり!物語がくれる世界は、想像力を鍛えてくれる。読書感想文の苦手意識が、少しでも軽くなりますように!